コロナで苦境…でも借金はしたくない。 そんな中小企業経営者に朗報、最大200万円の返済不要の給付金についてご紹介します~持続化給付金~(法人編)

※本記事は、あくまで2020年4月27日時点に公表されている情報に基づき作成しています。今後、制度の内容の見直し等が発生した場合は、下記と異なる内容となる可能性がございますのでご留意ください。
 また、本制度は法人だけでなく、個人事業主やフリーランスも対象にしていますが、本記事では法人による申請に絞ってお伝えします。

 

コロナウイルスで苦境に陥っている小規模事業者の支援のため、現在中小企業庁が支援策を策定中です。
https://www.meti.go.jp/covid-19/index.html#90

 

運用が開始されるのは国会の補正予算の承認後ということになるのですが、迅速な準備ができるよう、本日時点まで公表されている情報をご紹介します。
本記事の最後に、給付額の計算方法についてわかりやすく解説しています。
「内容は大体知っているが、計算方法がよくわからない!」という方は、そちらからご覧ください。

 

 

支給対象となる会社は?

以下の2つを両方満たす会社です。

①新型コロナウイルス感染症の影響で、2020年1月以降の売上が前年同月比で50%以上減少している事業者

資本金10億円未満(資本金の定めのない法人は「常時使用数する従業員が2,000名以下」)

※医療法人、社会福祉法人なども対象になります。

 

給付額いくらもらえるの?

法人:最大200万円(売上の減少分を超えない分まで)

個人事業者等:最大100万円(同上)

詳細は、「計算方法がわかりづらい」という方のために をご覧ください。

 

どうやって申請するの?

原則電子申請(補正予算成立後に申請フォームが開設される予定です。)

 

4月27日に、申請の方法等について速報が中小企業庁から出ています。

https://www.meti.go.jp/covid-19/pdf/kyufukin.pdf

申請の画面イメージなども載っていますので、準備の参考にしてください。

上記の必要書類等は、データにしてフォームに添付する形になるようです。(スマホなどで撮ったものでもよいとのこと)

 

申請には何が必要?

①事業者の基本情報(名称、法人番号、住所等)

②振込先の口座情報(通帳の写し)

③2019年の確定申告書の控え

④減収月の事業収入額を示した帳簿等

④の減収を証明する資料は、原則は会計の帳簿です。ですが今年の売上をすぐには会計に記帳できないという事業者もいらっしゃるかもしれません。その場合でも、手書きメモのようなものでも資料として認められるという趣旨の報道が4月23日の日本経済新聞に出ています。

しっかりとした会計帳簿を整えることは大切ですが、ある程度、迅速性を優先して制度開始後早めに動かれた方がよいかと思います。

 

「計算方法がわかりづらい」という方のために

この制度、わかりづらいのが給付額の計算方法です。まず経済産業省に掲載されている計算方法を原文のまま紹介します。

減少分=(前年の総売上(事業収入))-(前年同月比▲50%月の売上×12か月)

ざっくり見ると、コロナの影響で、去年(2019年)の売上と比較して今年の売上が減った分、最大200万円(または100万円)まで給付してくれる。という風に見えます。
わかりづらいのが『前年同月比▲50%月の売上』という件、実際に数字を使ってみてみましょう。(12月決算会社を想定した例です)

 

(Step1)まず、以下のものを用意してください。

・去年2019年の月次の売上高情報
・今年(2020年)の月次の売上高情報(事業者によっては4月分までもう把握できるでしょうか?)

Step2)2020年の1月~4月の売上と、それに対応する2019年の1月~4月の売上を並べてください。

 

去年と今年の売上高比較(千円)

2019年 2020年 減少率
1月 200 150 ▲25%
2月 250 100 ▲60%
3月 140 50 ▲64%
4月 300 70 ▲76%
5月~12月 1,500
年間合計 2,390

※12月決算会社を想定

 

(Step3)上記のなかで、前年同月比で売上が50%以上減った月を抜き出してください。

上記のケースだと、2月・3月・4月が該当します。

 

(Step4)前のStepで抜き出した月のうち「最も売り上げの少ない月」を選んでください

この場合、3月の50千円になります。

 

(Step5)上記で選んだ月の売上高を、減少額の計算式に当てはめて計算します。

減少額=前年の総売上[2,390千円]―前年同月比▲50%月の売上[50千円]×12ヵ月

減少額=2,390千円―50千円×12ヵ月

減少額=2,390千円―600千円

減少額=1,790千円

 

法人で、最大給付が200万円(2,000千円)以内に収まっていますので、この計算だと1,790千円全額を給付の対象として申請できます。
「2020年1月~12月の間の売上を任意で採用」とされていますので、前年同月比50%を下回った月が複数あればその中から最も有利になる月を選択できます。
 上記の例だと、仮に4月を採用した場合は1,550千円、2月に至っては1,190千円までしか給付対象になりません。

※なお法人の場合、計算式の「前年」は実質的に「前期」の意味です。例えば3月決算会社が2020年2月の売上を基に申請する場合、「前年の総売上高」とは2018年4月~2019年3月の一事業年度の売上です。なので、決算月によっては、比較する「前年の総売上高」自体が変わってしまうので、上記の選択の仕方はあくまで12月決算のケースと考えてください。

一見不自然な計算の仕方に見えますが、今年の年間の売上が明らかになる前に早く給付額を決められるようにしようという対応なのだと思います。

 

未曽有の災禍となった今回のコロナウイルス流行はまだ終わりが見えませんが、奮闘される事業者様にわずかでも助けとなるよう、これからも各種支援情報を積極的に発信してまいります。

 

 


佐藤等公認会計士事務所

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