贈与税の相談はどこにすればいい?判断のポイントと、準備・確認内容も解説

贈与税の相談はどこにすればいい?判断のポイントと、準備・確認内容も解説

「贈与税の相談はどこにすればいい?」

「税理士と弁護士に相談するのは何が違うの?」

日常では税理士や弁護士と関わる機会もなく、贈与税の相談先に悩みますよね。そこで、本記事では贈与税の相談先について必要な情報を解説します。

贈与税の相談先を判断するための情報から、相談前に用意しておきたいこと、相談時に確認したい内容まで紹介します。

また、贈与税に関する基礎知識も掲載しているため、相談前に学んでおきたい方にとっても役に立つ情報です。ぜひご覧ください。

贈与税の相談先と相談できる内容の違い

贈与税の相談先と相談できる内容の違い

まず、贈与税の相談先と相談できる内容の違いを見ていきましょう。一般的には、税理士に相談すると費用と内容のバランスが良いことが多いです。

税理士:生前贈与や、税負担を軽減したいとき

税理士は税の専門家であり、贈与・相続に関しても多くの依頼を受けている事務所があります。税負担を少なくしつつ、ある程度任せっきりにできるため費用と内容のバランスがいい相談先です。

また、贈与税に関する書類の作成代行ができるのも、税理士のみです。作成代行を依頼すると、贈与にかかる手間を大幅に短縮できます。特に本業が忙しい方や、何度も税務署とやりとりをするのが大変な方などにメリットが大きいです。

弁護士:法的なトラブルを避けたいとき

弁護士は法律の専門家であり、広い範囲の相談を受けつけています。その中には贈与・相続分野も含まれ、弁護士に頼めば法律違反になることはほぼありません。

反面、依頼費が高額になりやすい、税金の書類制作ができないなどのデメリットもあります。

税務署:費用を最小限におさえたいとき、贈与内容がシンプルなとき

税務署への相談は無料かつ電話でできることが多く、費用をおさえたい時には便利です。

ただし、平日日中の昼間しか受け付けていないことが多く、一般的な内容の説明のみになります。そのため、平日の日中に時間が作れること、贈与税に関する基礎知識があることが利用の条件です。

贈与税の基礎知識については、記事の後半でも解説しているので、まずはそちらをご覧ください。

贈与税の相談に行く前に準備しておく4つの資料

贈与税の相談に行く前に、資料を準備しておくとより具体的な説明を受けられます。

  1. 贈与人全員と関係がわかるメモ
  2. 財産目録
  3. 登記情報・固定資産税の納税通知書(不動産がある場合)
  4. 金融資産内容(株式などがある場合)

1.贈与人全員と関係がわかるメモ

贈与を受け取る人が複数いる場合、その全員の氏名と関係がわかるメモを用意しておきましょう。特に、家族間で贈与する場合は続柄と年齢も用意しておくと具体的な金額を出せるようになります。

2.財産目録

贈与する財産の一覧も用意しておきましょう。預金・現金だけでなく不動産の情報や株式の情報が必要になります。不動産、株式については後述しますので、そちらをご覧ください。

3.登記情報・固定資産税の納税通知書(不動産がある場合)

不動産がある場合、登記情報や固定資産税の納税通知書が必要になります。

登記情報が手元にない場合、インターネット上で請求可能です。請求後は郵送での受け取りか、登記所・法務局照明サービスセンターでの受け取りになるため、期間に余裕を持って請求しておきましょう。

4.金融資産内容(株式などがある場合)

株式などがある場合、銘柄と保有数を記載したメモを用意しておきましょう。実際に贈与する際には、評価額を計算する必要がありますが、複雑なため専門家への相談をおすすめします。

贈与税の相談先に確認しておく3つのこと

贈与税の相談先に確認しておく3つのこと

次に、税理士・弁護士など専門家に相談する際、確認しておきたい3つのことを紹介します。

  1. 贈与税・相続税などの経験が豊富か
  2. 報酬額の詳細、オプションの追加などはないか
  3. 親身になって対応してくれるか

1.贈与税・相続税などの経験が豊富か

まず、贈与税・相続税などの経験が豊富かの確認が重要です。多くの事務所は、それぞれの専門性を持っています。例えば、所得税・法人税に強い税理士事務所、不動産運用に強い税理士事務所、家庭問題に強い弁護士事務所など。

特化している事務所は特に、贈与税・相続税の経験が少ない場合もあります。モデルケースを多く保有している事務所の方が、より有益な提案をしてくれる可能性が高いため、経験の豊富さは必ず確認しましょう。

2.報酬額の詳細、オプションの追加などはないか

事務所によっては、料金の詳細が複雑なこともあります。例えば、基本相談料は安いものの、資料収集・作成代行・相談回数などで追加料金がかかることもあります。

報酬額の詳細や、オプションでの料金追加がどれだけあるかは、相談時に確認しておきましょう。ホームページ上に料金が載っていても、実際依頼してみると料金が変動するケースもあります。

3.親身になって対応してくれるか、連絡がつきやすいか

親身になって対応してくれるか、連絡がつきやすいかも重要なポイントです。特に税理士に相談する場合重要で、贈与の内容に修正が必要な場合や、税務調査の連絡が来た際に素早く対応してくれるかが重要になります。

贈与税の相談をする前に押さえておきたい基礎知識

ここでは、贈与税の基礎知識について解説します。やや専門的な内容なため、噛み砕いて説明します。

贈与税には暦年課税と相続時精算課税の2種類がある

贈与税には、暦年課税制度と相続時精算課税制度といった2種類の制度があり、どちらかを選択することになります。

暦年課税制度は、毎年110万円までの基礎控除があるスタンダードな方式です。暦年課税で贈与税を支払った場合、相続時に全額が控除になるメリットがあります。

相続時精算制度は、毎年の控除額が無くなる代わりに2,500万円の特別控除があります。何度贈与しても、2,500万円まで贈与税がかかりませんが、贈与財産は相続税の課税対象になる点に注意が必要です。

一度相続時精算制度を選択してしまうと、暦年課税には戻せないためご注意ください。

贈与税(暦年課税)は1月1日〜12月31日の一年間で考える

暦年課税の場合、1月1日〜12月31日までの期間で、どれだけ贈与があったか、で計算する仕組みです。

贈与税の計算は以下のように行います。

贈与財産-非課税財産=課税価格

非課税財産とは、法人から贈与された財産や、祝い金、香典、見舞金など一部の財産です。

この課税価格から、基礎控除を引き、税率をかけて贈与税を計算します。

{課税価格-基礎控除(110万円)}×税率-控除額=贈与税額

少し複雑に見えるため、分解して考えましょう。まずは基礎控除の説明をします。

暦年課税には基礎控除があり、110万円以下は非課税になる

基礎控除は、贈与税の計算をする時に110万円差し引ける仕組みのことです。毎年使用できる控除なため、2023年の贈与で基礎控除、2024年の贈与でも基礎控除が適用されます。

そのため、年間110万円以下の贈与は非課税になることが特徴です。一括で多額を贈与するより、少額を数年に渡り贈与した方が、負担が減ります。

ただし、税務署により「計画された一括贈与」と見なされると、課税対象になります。贈与する予定の金額が高額な場合は専門家に相談しましょう。

次に、税率を見ていきましょう。

税率には「一般贈与財産」と「特例贈与財産」があり、税率・控除額が異なる

税率には「一般贈与財産(一般税率)」と、「特例贈与財産(特例税率)」の2種類があります。金額ごとに税率が異なり、控除額も異なります。

※ここの控除額は、基礎控除とは別に適用できるものです

特例贈与は、直系尊属(祖父母・父母)から、18歳以上の子・孫に贈与した際に適用される税率です。

税率は以下の表を使用し計算します。

【一般税率】

基礎控除後の課税価格税率一般税率の控除額
200万円以下10%なし
200〜300万円15%10万円
300〜400万円20%25万円
400〜600万円30%65万円
600〜1,000万円40%125万円
1,000〜1,500万円45%175万円
1,500〜3,000万円50%250万円
3,000万円超え55%400万円

【特例税率】

基礎控除後の課税価格税率一般税率の控除額
200万円以下10%なし
200〜400万円15%10万円
400〜600万円20%30万円
600〜1,000万円30%90万円
1,000〜1,500万円40%190万円
1,500〜3,000万円45%265万円
3,000〜4,500万円50%415万円
4,500万円超え55%640万円

税率計算の具体例

では、具体的な2つのケースを見ていきましょう。一つは、一般税率で500万円を贈与した場合、もう一つは特例税率で500万円贈与した場合です。

一般税率で500万円贈与した場合

課税価格を500万円とした場合、以下のような計算になります。

{500万円-110万円(基礎控除)}×一般税率-控除額={390万円}×20%(税率)-25万円=78万円-25万円=53万円

上記の計算から、53万円の贈与税になります。

特例税率で500万円贈与した婆い

課税価格を500万円とした場合、以下のような計算になります。

{500万円-110万円(基礎控除)}×特例税率-控除額={390万円}×15%(税率)-10万円=58.5万円-10万円=48.5万円

上記の計算から、48万5千円の贈与税になります。このように、特例税率の場合、一般税率よりやや安くなることが特徴です。

また、この他にも贈与税の特例が利用できる場合もあります。ケースにより異なりますので、贈与税額をおさえたい方は無料相談にてご相談ください。

贈与が複雑な場合や、特例を使用する場合はアウル税理士法人へ

アウル税理士法人では贈与税に関する無料相談を受け付けております。初回50分まで無料で、贈与税が初めての方向けに基本的な内容を説明させていただきます。

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まとめ

贈与税で困った際は、いくつかの相談先があります。税のプロである税理士、法のプロである弁護士、お金がかからない税務署などです。

ご自身の抱える不安や課題に合わせて選ぶことになります。そのためには、贈与税の基礎知識の理解が重要です。

準備と確認を正しく行い、想定通りの贈与ができるよう専門家に相談しながら進めていきましょう。

アウル税理士法人では、この他にも税に関するお役立ち情報を公開しております。全て無料でご覧いただけますので、課題にあうものがありましたらぜひご覧ください。

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