相続税を納める準備ができていないとき

相続税を納められるほどの現金が手元にない場合の対処法は、大きく3つあります。

 

  延納 物納 財産の売却(現金化)
特徴 分割で納付 現金の代わりに

相続財産を納める

財産を手放し

現金にて一括納付

要件 ①相続税が10万円 現金一括納付と延納の

どちらもできない場合

 
②金銭納付が困難
③延納額相当の担保が提供できる
④期限までに決められた申告書提出
ポイント 利子税が発生する もともと持っている財産は対象外 期限までに売却手続きを終えなければならない

 

◎延納

延納とは、相続税の分割納付を行う制度のことです。

これは「相続財産のうち不動産の割合が大きくて現金の割合が小さいため、現金の一括納付が難しい」といった場合などに検討される制度です。

そのため、占めている不動産の割合によって分割できる期間の上限が決まります。

延納を受けるためには上表の3つの要件をすべて満たし、申告期限までに申請書を提出する必要があります。

 

参考: No.4211 相続税の延納|国税庁 

 

Point:利子税 

利子税とは、「分割納付の際にかかる利子に相当する税」のことです。

延納以外にも「納税をするのはだれ?」に出てきた「連帯納付義務」により追加で納めるときにも利子税がかかります。連帯納付義務でははじめ利子税ではなく延滞税がかかっていたのですが、たとえ連帯といってもあまりにも負担が重くなってしまうということで、税率の低い利子税へと切り替わりました。

 

 

物納

物納は、相続した不動産など物の財産を直接相続税として納められる制度のことです。

現金一括納付や、延納ができる場合は選べません。

また物納の対象となる財産には一定の要件が決まっており、相続人がもともと所有していた財産は対象外であることに注意が必要です。

 

参考: No.4214 相続税の物納|国税庁 

 

◎相続財産を売却し、現金化する

期限までに売却手続きを行い、相続財産を現金化しておくというのも一つの方法です。

申告・納税前でも相続財産の売却はできますが、売却する相続財産の遺産分割が完了している必要があります。

 

Point:不動産の売却で気を付けること 

 この方法で不動産の売却を検討している場合は、期限内に売却を間に合わせるため、早めの行動を心がけるようにしましょう。

 また売却時に「譲渡所得」として、相続税とは別に所得税が発生する場合があります。もし発生する場合、その不動産を売却した方は所得税として確定申告の際に納付します。

 

 

おわりに

ここまでお読みいただきありがとうございます。

今回ご紹介した3つの手続きは、ケースによって素人判断では難しい場合もあります。少しでも不安を感じたら税理士へ依頼するのがおすすめです。

 

相続税に関して税理士にご相談をお考えの方は、お気軽に佐藤等公認会計士事務所へご連絡ください

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※ここでご紹介したものはあくまでスタンダードな流れであり、必ずしもすべての方に当てはまるわけではありません。

相続は、その人の置かれた状況ごとに非常に細かく変わります。知識の穴埋めとして参考にして頂けるのはうれしいことですが、ご自身で間違った申告を行い不利を被ったとしても、幣事務所は責任を負えませんのでご了承ください。

 

 

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佐藤等公認会計士事務所

この記事は2021年1月4日以前に執筆されたものです。 佐藤等公認会計士事務所は令和3年1月4日をもって鈴木康弘税理士事務所と経営統合し、アウル税理士法人となりました。
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