会社は定期的に決算を行い、決算書(財務諸表)を作成して税金を納めます。
経営者として知っておきたい決算書の読み解き方について、最低限のポイントを紹介します
。
やっぱり気になる「儲かったのかどうか」
ひとつめのポイントは、「損益計算書」です。損益計算書は、「Profit and Loss
Statement」を略して 「P/L」と呼ばれます。
損益計算書には、一定の期間の売上や仕入・原価、経費や税金といった項目と、最終的な利益が記載されます。
黒字であればひとまず安心ですが、原価率や経費率を見直せばコストダウンに繋がる可能性もあります。
負債と純資産を合わせて「資産」
ふたつめのポイントは、「貸借対照表」です。貸借対照表は「Balance Sheet」を略して「B/S」と呼ばれます。
貸借対照表には、右側に負債と純資産が、左側には資金で買った在庫や建物、残っている現金や預金が記載されます。
実際に表を見てみると分かりやすいですが、左右それぞれの合計金額は必ず一致します。
調達した資金をどのように運用しているかを読み取ることができる表という訳です。
ここで注意したいのは、もう回収できない貸付金や仮払金、不良在庫が含まれていないかという点です。
こういったものも貸借対照表の上では資産に該当しますが、実際は価値がないため、貸借対照表と実態が乖離する原因になってしまいます。
黒字倒産を防ぐために大切な「キャッシュ」
最後のポイントは、キャッシュフロー計算書です。キャッシュフロー計算書は、「CashFlow Statement」を略して「C/S」と呼ばれます。
キャッシュフロー計算書には、損益計算書だけ見ていても分からないキャッシュ(現金)の増減が記載されています。
例えば、商品を仕入れるとキャッシュが減りますが、その商品が実際に売れるまでは損益計算書上は費用計上されません。また、商品を掛けで売ると損益計算書上は利益計上されますが、代金が回収されるまでキャッシュは増えません。
このように、損益計算書と実際のキャッシュの動きにはズレがあるのです。
ニュースなどで耳にする黒字倒産は、損益計算書上では黒字でも実際のキャッシュの資金繰りが上手くいかず倒産してしまうことです。
黒字倒産を防ぐためにも、資金繰りが上手くいっているのかキャッシュフロー計算書で確認しなければならないのです。
決算書はその場限りではない
決算書は作成したその時に眺めて終わりではなく、過去の物と比較することでより一層経営状況を分析できます。
せっかく決算書を作成するのですから、過去3期分の決算書と比較して、今後の経営に役立てましょう。
佐藤等公認会計士事務所
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