会計事務所と税理士事務所の違いはありません。税理士の形態や選び方を解説します。

会計事務所と税理士事務所の違いはありません。税理士の形態や選び方を解説します。

これから経理業務や税務を外注しようと考えている経営者にとって、会計事務所と税理士事務所の違いが分からず、どちらに依頼すればよいか迷う方は多いかと思います。

この記事では、両者の違いをわかりやすく解説し、それぞれの特徴やメリット・デメリットを比較します。

会計事務所だけでなく、税理士事務所と混同されやすい「会計士事務所」や「税理士法人」との違いも解説しているので、外注先を探している方はぜひ参考にしてください。

会計事務所と税理士事務所の違いとは?

多くの人にとって、会計事務所と税理士事務所の違いは、少しわかりにくいかと思います。ビジネスを運営していく上で、正確な税務や会計のサポートを受けるために、どちらに依頼すればよいか迷う方も多いでしょう。

結論として、会計事務所と税理士事務所は、提供するサービスや役割に大きな違いはありません。では、なぜ名称が異なるのか、その背景について詳しく見ていきます。

会計事務所と税理士事務所はほぼ同じ

会計事務所と税理士事務所は、業務内容においてほぼ同じです。どちらも、税務申告や帳簿の作成、決算業務などを代行する役割を持ちます。特に、税理士の資格を持つスタッフが所属している場合は、税務相談や申告代行など、税務に関するサポートを幅広く行っています。

したがって、小規模事業者やフリーランスは、税理士事務所と会計事務所の区別を意識せずに、税務や会計を依頼することが多いです。現実的には、どちらに依頼しても、基本的な税務・会計のニーズを満たすことができるため、大きな違いを気にする必要はありません。

会計事務所と名乗る理由

「税理士事務所」が正式名称である一方で、「会計事務所」という名称は俗称として使われています。この俗称が使用される背景には、税務業務だけでなく、会計全般の業務も取り扱っていることを示したい意図があります。

会計事務所と名乗る事務所では、税務申告や税務相談に加え、日常の帳簿作成、月次決算、予算管理、経営アドバイスなど、企業の会計や経理を包括的にサポートすることが一般的です。

特に中小企業や個人事業主向けには、税務に限らず経理全般の業務支援が求められるため、「会計事務所」という名称を使うことで、提供するサービスの幅広さを強調しているのです。

税理士事務所と税理士法人の違い

税理士事務所と税理士法人は、表面的には同じような業務を提供しているように見えますが、実際にはいくつかの違いがあります。これらの違いは、特に依頼する側にとって、どちらを選ぶべきか迷うポイントとなります。ここでは、それぞれの違いを組織形態、メリット・デメリットの観点から詳しく説明します。

組織形態の違い

税理士事務所と税理士法人の最も大きな違いは、その組織形態にあります。税理士事務所は、個人の税理士が独立して運営している事務所であり、1人または少人数で運営されることが多いです。一方、税理士法人は、法人格を持つ組織であり、複数の税理士が共同で運営しています。この法人化によって、事業規模の拡大や組織としての安定性が高まります。

個人経営の税理士事務所は、税理士個人の裁量に基づく柔軟な対応が可能ですが、税理士法人は複数の専門家がチームで対応できるため、より大規模な案件や幅広い専門領域をカバーできるのが特徴です。

税理士事務所へ依頼するメリット・デメリット

税理士事務所に依頼する最大のメリットとして、個人経営が持つ柔軟さが考えられます。少人数で運営されているため、顧客のニーズに合わせたきめ細やかな対応が期待できます。また、費用が比較的リーズナブルであることが多い点も、依頼する立場の経営者にとっては魅力的な特徴です。

しかし一方で、デメリットもあります。税理士事務所は規模が小さいため、対応できる業務量や分野に限界がある場合があります。大規模な会社や複雑な税務案件に対しては、人的リソースの不足が懸念されることがあるでしょう。また、税理士1人が担当する場合、その税理士のスケジュールに依存するため、繁忙期には対応が遅れるリスクもあります。

税理士法人へ依頼するメリット・デメリット

税理士法人に依頼する場合の最大のメリットは、組織的な対応力です。税理士法人は複数の税理士が在籍しているため、専門分野ごとに分かれたチームでの対応が可能です。これにより、個々の案件に応じた最適な対応を迅速に提供できるほか、大規模な企業や複雑な税務処理にも強いという特徴があります。

一方で、税理士法人のデメリットとして挙げられるのは、費用が高くなる場合があることです。また、法人化されているため、サービスが一律化されやすく、場合によっては個別対応の柔軟さに欠けるケースも考えられます。依頼する際には、どの程度の個別対応が必要かを慎重に判断する必要があります。

会計士事務所と税理士事務所の違い

会計事務所と似た名称として「会計士事務所」という事務所もあります。

会計士事務所と税理士事務所も、同じように名称が似ているために混同されがちですが、実際にはそれぞれ異なる資格や業務を持つ専門家が運営しています。

ここでは、それぞれの代表者の資格や業務内容から、その違いを詳しく説明します。

代表者の所持資格が違う

会計士事務所の代表者は通常、公認会計士の資格を持っています。

一方、税理士事務所の代表者は税理士資格を保有していることが一般的です。

業務内容の違い

公認会計士は、企業の監査や会計業務に特化しており、主に上場企業や大企業を対象とした財務諸表の監査を行うことがメインの業務であることが多いです。ただ、公認会計士の資格を持っていれば税理士登録をすることが可能であり、税理士と同様の業務を行っている事務所もあります。

一方で、税理士事務所は、税務申告書の作成や税務相談、節税対策など、主に税務に関連する業務を行います。税理士は、個人の確定申告や中小企業の法人税申告、相続税の相談など、幅広い税務に対応できるため、特に個人事業主や中小企業の場合、税理事務所に税務サポートを依頼することが多いです。

自分に合う税理士を選ぶためのポイント

税理士を選ぶ際には、信頼できるだけでなく、ビジネスのニーズに合った適切なパートナーを見つけることが重要です。適切な税理士を選ぶことで、税務の負担が軽減され、安心して経営に集中できる環境を作ることができます。ここでは、税理士選びの際に考慮すべきポイントを3つ紹介します。

相性が良いかどうか

税理士との相性は非常に重要です。税務の専門知識だけでなく、コミュニケーションのしやすさや信頼関係が築けるかどうかも選ぶ際の重要な基準となります。税理士は、長期的なパートナーシップを築く相手であるため、相談がしやすく、ビジネスの状況や課題を共有できる関係性が理想的です。

例えば、定期的なミーティングを行ってくれる税理士や、対応が迅速である税理士は、信頼感が高まりやすいでしょう。

希望する業務に強みがあるか

税理士は、それぞれ専門分野や得意とする業務が異なります。選ぶ際には、自分のビジネスが求める業務に強みを持つ税理士を見つけることが重要です。

例えば、相続税や資産管理に詳しい税理士が必要な場合、専門知識が豊富な税理士を選ぶことで、最適なサポートを受けることができます。

料金が適切か

税理士に依頼する際の料金も重要な要素です。税理士事務所によって料金体系は異なり、業務内容や依頼する範囲によって費用も変動します。

料金が高すぎるとコストの負担が大きくなり、反対に低すぎる場合は十分なサービスが提供されない可能性もあるため、適切なバランスを見極めることが必要です。見積もりを複数取り比較することで、適正な料金を見つけることができます。

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佐藤等公認会計士事務所

この記事は2021年1月4日以前に執筆されたものです。 佐藤等公認会計士事務所は令和3年1月4日をもって鈴木康弘税理士事務所と経営統合し、アウル税理士法人となりました。
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