『申告漏れ』『所得隠し』『脱税』それぞれの違いとは?確定申告が不安な方は専門家にご相談を!【札幌大通駅直結の税理士事務所】

 

お笑いコンビ「チュートリアル」の徳井義実さんの設立した会社が、3年間にわたって税務申告を怠っていたという報道はまだ記憶に新しいと思います。他にも、企業や芸能人をはじめとする有名人の「税金トラブル」もしばしばニュースになります。

 

申告をしていないと指摘を受けたのが「申告漏れ」、私的な支出を経費に乗せて、所得を低く見せようとしたのが「所得隠し」と報じられましたが、「脱税」ではないのでしょうか?

そのあたりの違いを詳しくみていきましょう。

 

 

【「申告漏れ」「所得隠し」「脱税」の意味は?】

実は、これらの用語に、法や規則などに基づく明確な定義はありません。しかし、「意図的かどうか」が分かれ目になり、言葉の使い分けがされているのが現状です。

 

『申告漏れ』というのは、単純な計算の誤りや経費計上の誤り(経費にできないものを間違って計上してしまった)など、意図的な税金逃れではないものとして使われます。別の言い方をすれば「うっかりミス」という言葉になるでしょうか。「税金をごまかそう」という悪意がなく、意図的な工作などを行っていないことがポイントです。

 

『所得隠し』と呼ばれるものは、売上の隠蔽や架空経費の計上、関係書類の改ざんなどを行った場合に使われます。脱税との違いは曖昧な所がありますが、「『所得隠し』か『脱税』かは、その悪質度によって決まる」という見方もありますが、その線引きが明示されているわけではないのです。申告漏れよりも重いペナルティを課されるのが通常です。

 

『脱税』は、偽りその他不正な行為により意図的に納税を免れることを言っています。簡単に言えば、「所得隠し」の悪質性が高く金額も大きかったために、検察庁に告発され、刑事罰の対象になった場合です。たとえば、架空の宣伝広告費を計上して法人税法違反で逮捕、起訴され、懲役刑(執行猶予)が言い渡された企業のように、悪質な税逃れには刑法が適用されます。このレベルになって初めてその言葉を使うメディアもあれば、重加算税という思いペナルティを課せられたら「脱税」だと定義する専門家もいます。

 

メディアの言葉づかいはそれとして、納税は憲法に記された国民の義務。正当な理由なくしてそれを怠り、事実が発覚すれば、相応のペナルティが課せられることになります。

 

一方、節税とは、控除制度を活用するなど税法の範囲内で合法的に税金を少なくすることです。

 

整理すると、

申告漏れと所得隠しの違いは、「意図的かどうか」

所得隠しと脱税については「悪質性の高さ」で判断される

ということになるでしょう。

 

「意図的かどうか」は、当人しか知り得ない事実です。逆に言えば、どちらに分類されるのかは、最終的には税務当局の判断次第、ということになるのです。

 

新聞やテレビなどでは主に、税務調査により指摘を受けた所得金額(増差所得)を「申告漏れ」、申告漏れのうち重加算税が課せられた部分を「所得隠し」、国税局が検察庁に告発したケースを「脱税」として、報道しているようです。

 

過去の申告内容に不安がある場合などには、すぐに税理士に相談することをお勧めします。

 

次の記事では、申告漏れのペナルティについて解説します。

⇒https://kaikei.management/?p=892

 

 

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この記事は2021年1月4日以前に執筆されたものです。 佐藤等公認会計士事務所は令和3年1月4日をもって鈴木康弘税理士事務所と経営統合し、アウル税理士法人となりました。
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