不動産を売却した際に譲渡所得(利益)がでれば確定申告をする必要があります。
反対に、利益がでなければ確定申告の必要はありませんが、払わなくてもいい税金を払ってしまうことになるかもしれないってご存じですか?
不動産を所得価格以下で売却 確定申告はしなくていいけど損になるかも!?
不動産を売ったけど、所得金額より売却額が下回る場合もありますよね。
そういうケースは課税する対象がないので、確定申告の必要はありません。
ですが、損失があっても確定申告することによって、節税につながるんです。
それは「損益通算」や「繰越控除」を利用することです。
どういうことかというと、サラリーマンの方などの所得を計算上減算することができます。
結果、サラリーマンとしての所得税の負担軽減につながります。
損益通算を利用する場合
損益通算とは:一定期間内の利益と損失を相殺すること。 不動産売却、有価証券売却などで損失が出た場合には利益から差し引いて、その分だけ税金を減らすことができます。
つまり、サラリーマンとして得る収入から不動産売却で発生した損失を計上できる、ということです。
簡単な例でみてみましょう。
不動産売却により損失:1,000万円
サラリーマンとしての給与所得:600万円
給与所得に対する税率:20%
(330万~695万円:税率20% 控除額427,500円)
所得税額:600万x20%ー427,500円(控除額)=772,500円
これに損益通算をあてはめると、
600万ー1,000万=0 (税金に対する計算なので、マイナスの数字は全てゼロになります)
つまり不動産売却で損失がでたからといって、確定申告はしないままでいると、
772,500円の所得税を支払わなければなりませんが、確定申告をすると
所得税額は0円!!
サラリーマンの方は既に源泉徴収されていますから、確定申告することで、この772,500円が戻ってくることになるんです!
繰越控除を適用して更に節税する
繰越控除とは:本年分の損失を控除しきれない場合、翌年以降にその損失を繰り越し、翌年以降の利益から控除することができる制度(確定申告した場合のみ利用できる)
上の例で残った損失額は
600万ー1,000万=400万
です。
繰り越し控除を利用すれば、この400万を翌年以降3年間繰り越して損益通算できるんです。
つまり
1年目 600万-1,000万=0
2年目 600万ー400万=200万
2年目に確定申告する場合は200万が所得税課税対象になります。
課税所得対象額は
課税所得金額 税率 控除額
195万円以下 : 5% 0円
195万~330万円 : 10% 97,500円
330万~695万円 : 20% 427,500円
695万~900万円 : 23% 636,000円
今回の場合195万を超えるため、税率10%がかかってしまいます。
ですが、税のことを知り尽くした税務のプロ、税理士に確定申告をお願いしたらどうなるでしょうか?
所得金額は毎年払わなければならない住民税にも関わってきますから、税理士に相談して節税対策をすることをお勧めします。
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