家業を継ぐ際の悩みやメリット・デメリットを詳しく解説!

家業を継ぐ際の悩みやメリット・デメリットを詳しく解説!

家業を継ぐ」とは、簡単にいうと子どもによる事業承継のこと。親族内承継とも呼ばれます。

実家が個人で事業をしていたり、中小企業を営んでいたりする方の中には、将来、家業を継ぐかどうかで悩んでいる方も多いのではないでしょうか?

家業を継ぐ場合には、タイミング、メリットとデメリットなど様々なポイントについて考慮する必要があります。

今回は、以下のポイントについて解説します。

  • 家業を継ぐか悩んだ時の考え方
  • 家業を継ぐメリット・デメリット
  • 家業を継ぐ上で押さえておくべきポイント

これから家業を継ぐ人や家業を継ぐかどうか悩んでいる人は、ぜひ最後まで読んでみてください。

家業を継ぐ時に悩むポイント

家業を継ぐ時に悩むポイント

現在の仕事を続けたい場合や、資格などが必要ですぐに引き継げない場合は、家業を継ぐことに対して悩むことも多いですよね。

家業を継ぐ時に悩むポイントと解決策・考え方をご紹介します。

現在の会社の仕事が充実している

現在勤めている会社の仕事が充実している場合、家業を継ぐよりも、このまま仕事を続けたいと思う方も多いのではないでしょうか。

家業を継ぐことは後戻りのできない選択になるため、魅力が感じられない家業を無理して継ぐのはあまりいい選択ではない場合もあります。興味を持てない分野の仕事に対して大きい責任を持つことは、苦痛がともなうものです。

社内外の信頼できる方に、第三者承継を検討するというのも選択肢のひとつとして考えてみてもいいかもしれません。

資格などが必要でそもそもすぐ引き継げない

例えば、家業がホテルなどの海外の方とのやりとりが必要な場合は英語の習得が必要となりますし、不動産業の場合は宅建士などの資格が必要になります。このような場合は、いざ家業を継ごうと思い立っても、先に資格を取得する必要があるため、すぐに継ぐことはできません。

資格が必要な家業を継ぐ可能性がある場合は、若いうちから資格の取得のために勉強しておくことをおすすめします。

守らなくてはいけない家族がいる

独身であれば、うまくいくという確信が持てなくても、チャレンジしたいという気持ちで家業を継ぐこともできます。しかし、結婚していて配偶者や子どもなど家族を養っている場合は、生活のことも考えなくてはいけないため簡単に決断ができないでしょう。

また、家族経営の家業を継ぐ場合には、今後家族も家業に関わる可能性があります。家族とよく話し合いをして決めることが大切です。

悩んだ上で、家族内にも社内にも後継者になり得る人物がいない場合は、他の企業とM&A(吸収合併)をして会社を残すという方法を採ることもできます。詳しくはこちらもご覧ください。

家業を継ぐ上で押さえておくべきポイント

家業を継ぐ上で押さえておくべきポイント

家業を継ぐ上で押さえておくべきポイントについてご紹介します。

  • メリットとデメリットを理解しておく
  • タイミングを相談しておく
  • 経営者になるための準備をしておく

それぞれのポイントを順番に見ていきましょう。

メリットとデメリットを理解する

家業を継ぐかどうかを考える上で、メリットとデメリットを理解しておくことは非常に大切です。メリットとデメリットを把握し、慎重に決断しましょう。

メリット

勤務時間を調整できる経営者になるため、サラリーマンのように勤務時間は決められていません。仕事量に合わせて、融通を効かせて勤務時間を調整できます。自由な時間が増え、長期休暇も取りやすくなります。
定年・リストラがない経営者になるため、60歳や65歳で定年を迎えたり、会社の都合でリストラされる心配がありません。受け継いだ事業を順調に進められれば、長く働き続けられます。
事業の方向性を決められる経営者になるため、他の事業に切り替えたり、新しい事業を立ち上げたり、自分の裁量で事業の方向性を決められます。
人脈ができる家業を継ぐと、サラリーマンの時には出会えないような人とのつながりができます。先代から経営を引き継ぐため、ゼロから関係性を築くよりも信頼関係を作りやすいです。
親孝行できる代々続く老舗であれば親族の思い入れも強く、身内に継いでほしいと思っていることも多くあります。家業を継ぐことで親孝行ができます。
資産を受け継げる家業を継ぐと、会社が所有する資産を承継できます。ゼロから資産を確保せずに済むため、不動産をはじめ、技術・ノウハウ・特許・販売網・取引先・従業員との契約などを改めて取得する必要がありません。
子どもに引き継げる将来的に自身の子どもに承継すれば、家族に暮らしを支える手段を残してあげられます。
事業譲渡・会社売却で利益が得られる会社を継いで一定期間経営を行った後、事業を譲渡したり会社を売却したりすれば利益が得られます。

デメリット

安定していない後継ぎの能力が承継後の業績を大きく左右します。経営を上手に引き継がなければ、収益を減らしてしまうこともあります。
プレッシャーが大きい経営者になるため、様々な決定を自分の裁量でしなければなりません。従業員の生活を守らなければならない責任感から、強烈なプレッシャーが襲う場合も少なくありません。
従業員との関係性での苦労従業員が事業承継に反対している場合、良好な関係をうまく築けないこともあります。
新しい人脈との関係に悩まされる家業を継ぐと、取引先との交渉も後継者が行います。経営者が変わったことで、取引の中止や、厳しい条件を提示されるおそれがあります。
家族の理解が得られない家業を継ぐ場合、事業の業績・規模によっては、得られる収入が減ってしまう事態が想定されます。家族に反対されるケースも少なくありません。
思わぬところで自由を制限される家業によっては、休日に急な呼び出しで仕事をしなければならなかったり、ベテランの従業員の反対によって事業の方針を変えにくかったりなど、予想外に自由を制限される場合があります。
債務・借金も引き継いでしまう家業を継ぐと、親が背負っていた借金も承継してしまい、返済義務が後継者に移ります。会社が倒産・廃業した場合も後継者が借金を返す必要があります。事業を受け継ぐ際は、債務・借金を正確に把握しておきましょう。
経営を傾かせるリスクがある会社の運営が思い描いていたように進まない事も想定されます。世代交代後に自分の代になって経営不振に陥ってしまうケースも少なくありません。業績が思わしくない場合、無理をしてでも事業を続けるのか、運営を諦めて廃業を選択するのか難しい判断を迫られる場合もあります。

家業を継ぐタイミングを相談しておく

引き継ぎをスムーズに行うために、家業を継ぐタイミングについて、あらかじめ相談しておきましょう。

後継者の教育には通常5年〜10年ほどの時間が必要と言われています。できる限り早いタイミングで家業に関わり、仕事を覚えられれば、引き継ぎ後の会社の成功率が高まります。

会社を継いだ後の方向性についても事前に話し合っておくといいでしょう。

経営者になるための準備をしておく

家業を継ぐ前に、経営者として必要な能力を把握し、準備しておきましょう。

事業の技術やノウハウ、経営に関する知識を事前に勉強しておくと、スムーズに引き継ぎを行えます。

おわりに:最適なM&Aを行うためには専門家サポートも検討を

今回は、家業を継ぐ上で考えるべきポイントについて解説しました。

家業を継ごうと決意しても、実際に行うとなると、「何から始めたらいいのだろう」と、立ち止まってしまう方も少なくありません。お悩みの際は1度、専門家のサポートを受けてみてはいかがでしょうか?

まだ、家業を継ぐかどうか迷っている方も、適切な決断をするために専門家の視点からアドバイスを受けてみるといいでしょう。

札幌大通りにあるアウル税理士法人では、経営や事業承継・M&Aの相談も承っております。事業者の想いや情熱をしっかり受け止めて、税務を超えた部分でも積極的にサポートいたします。「事業のことについても相談にのってほしい」「今後の事業の行く末が心配」という方も、ぜひお気軽にご相談ください。

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おわりに:最適なM&Aを行うためには専門家サポートも検討を

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