組織のミッション(使命)を行動で示してこそ真のリーダーシップ【失敗しない経営者思考】

組織のミッション(使命)を行動で示してこそ真のリーダーシップ【失敗しない経営者思考】

こんにちは。アウル税理士法人の代表社員税理士・佐藤 等(さとう ひとし)です。

損得勘定で集まった集団は、ちょっとした危機からすぐに崩壊へと向かいがち。

メンバーの関心の焦点が「自分の組織への貢献」よりも「組織の自分への処遇」にあると、組織の危機が、自己保身に走るスイッチになってしまいます。

皆で何とか乗り越えよう」という意識の源は、仲間と共有する仕事の意義や誇りです。

そのようなメッセージが部下や同僚はもちろん、お客様に伝わっているでしょうか。実はその発信こそが、真のリーダーの役割なのです。

マネジメントの父であるドラッカーは、リーダーの役割についてこういいます。

重要なのはカリスマ性ではない。ミッションである。したがってリーダーが初めに行うべきは、自らの組織のミッションを考えぬき、定義することである

『非営利組織の経営』より

カリスマ性よりも大事なのは行動で示す実直さ

カリスマ性よりも大事なのは行動で示す実直さ

リーダーシップカリスマ性を混同してはなりません。

たった一人のカリスマに頼れば、その一人が組織を去ったとき危機に直面してしまいます。

それゆえ、組織の永続性を高めるためには求心力を個人に求めてはならないのです。

リーダーシップの源泉は、あくまでも会社のミッション(使命)にあります。考え抜かれたミッションと、それに従ったリーダーとメンバーの日々の行動が組織を方向づけてくれます。

リーダーシップとはすなわち、組織を構成する一人ひとりの意識と行動の蓄積です。

ミッション(使命)を深く理解し、それを行動指針にして組織活動を行えば、おのずとリーダーシップが芽生えてきます。

ミッション(使命)は共感を持った頼もしい仲間を引き寄せる

ミッション(使命)は共感を持った頼もしい仲間を引き寄せる

ドラッカーは、ミッション(使命)には「機会」「卓越性」「コミットメント」の要素が盛り込まれている必要があると説きます。

株式会社北海道宝島旅行社の代表・鈴木 宏一郎社長は、社会人時代に小樽商科大学の大学院へ入学。そこで書き上げた修士論文がきっかけとなり、起業しました。

鈴木社長には当時からすでに、「体験型プログラムを通じて北海道の魅力を知ってもらい、地域を活性化する」という確固たるミッション(使命)があったといいます。

集客難や債務超過といった苦難を乗り越え、2019年には、売上高が7億9500万円計上する企業にまで成長することができました。

倒産の窮地を脱し、ここまで成長できたのは、苦境の最中に集まってきた仲間たちのおかげでした。鈴木社長のミッション(使命)に共感してくれる人たちが続々と集ってきたのです。

社長はこう振り返ります。

「ミッションを修士論文という形で文章化した体験は大きかった。ミッションが体に染みこんでいるから、苦しくても諦めなかったし、共感する仲間が次々集まった」

鈴木社長は、どんなに苦しいときでも、組織のミッション(使命)に従い、北海道の地域を活性化するための体験型プログラムの開発を続けました。

そのミッションを行動で示す姿勢――リーダーシップ――が、志しある優秀な人材を引きつけ、現在のチームだけでなく、体験型観光ガイドや現地協力者のネットワークをつくりあげたのでしょう。

鈴木社長はこう言います。

「まさに修士論文に書いた通りの事業になった。ミッションには、セレンディピティー(偶然の発見や出会い)を引き寄せる力もある」

言葉よりも行動で示したほうがミッション(使命)は伝わる

ミッション(使命)を伝えるためには、一方的に言葉で発信するよりも、一貫した姿勢や行動で伝えることのほうが効果的です。

リーダーが何を優先するかという判断や、どんな人、どんな組織と働くかという姿勢が、話す言葉以上に強いメッセージとして伝わるのです。

さらにいえば、どんなときも「ミッション」に基づいて判断し、コミットメントする組織をつくるためには、互いの考えを話すコミュニケーションの場面や、判断を振り返る場面も必要です。

スタッフの一人ひとりが、自分が発した言葉や判断に責任を持つことができるからです。

おわりに

今回の内容が、少しでも経営者のみなさんのお役に立てれば幸いです。

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