チェンジオブコントロール条項(COC条項)とは?メリット・デメリットや実際に使えるテンプレートをご紹介

チェンジオブコントロール条項(COC条項)とは?メリット・デメリットや実際に使えるテンプレートをご紹介

敵対的買収に有効な手段の一つ「チェンジオブコントロール条項」。

COC条項とも呼ばれ、M&Aの防衛策として使用される方法の一つです。

この記事では、多くの経営者の方をお客様に持つ「アウル税理士法人」が経験を基にチェンジオブコントロール条項について噛み砕いた解説をさせていただきます。

具体的な施策や、メリット等も紹介しておりますのでお役立ていただけると幸いです。

それでは、さっそく紹介していきましょう。

チェンジオブコントロール条項とはM&Aの防衛策となる条項の一つ

チェンジオブコントロール条項とはM&Aの防衛策となる条項の一つ

チェンジオブコントロール条項(COC条項)とは、M&Aにより経営権が移動した際に、契約内容に制限がかかる条項のこと。

COC条項を採用することで、以下のような防衛策をとることができます。

  • 赤字を出し続ける状況を避けられる
  • 敵対企業に技術流出を防ぎたい場合に契約解除できる

では、具体的にどういったことをすれば良いのでしょうか?答えは「規則を作成」することです。

チェンジオブコントロール条項の具体的な施策とテンプレート

チェンジオブコントロール条項の具体的な施策とテンプレート

チェンジオブコントロール条項の具体的な施策としては、以下の規則を作成します。

  • 通知義務の規則を作成する
  • 契約解除の規則を作成する

それぞれ作成することもできますが、両方満たしたい場合は以下のように記載することがオススメです。

第x条 通知義務及び契約解除について

甲が合併、株式交換、株式移転などにより甲の株主が全決議権の2分の1を超えて変動した場合または甲の支配権に変動がある場合は、事前に乙に対しその旨を書面で通知するものとし、乙は本契約を全部あるいは一部を解除することができる。

※甲:相手の会社、乙:自分の会社

噛み砕くと「あなたの会社の株式や決定権が大きく変動した場合は、書面で教えてください。また、その場合こちらの会社は契約解除することもできます。」という内容です。

しかしながら、チェンジオブコントロール条項をご自身だけで作成してしまうと、思わぬ抜け穴が発生し、不利益を被るケースも少なくありません。敵対的買収から防衛したいという目的であれば、プロに相談することをお勧めします。

チェンジオブコントロール条項のメリット

チェンジオブコントロール条項のメリットは具体的に以下の通りです。

  • 取引先との間で不利益を発生を防げる
  • 敵対的買収の防衛策(抑止力)になる
  • 自社の情報や技術の流出を防ぐ
    など

それぞれ解説していきます。

取引先との間で不利益の発生を防げる

取引先との間で不利益の発生を防げる

契約期間内で赤字が出続ける、といった不利益の発生を防ぐことができることが大きな特徴の一つ。

具体的に説明しましょう。COC条項があれば、業務契約をしている相手会社が買収されるなどで決定権が大きく変わった際に、「部品の納品は不要だけれど、契約期間中はウチの専属でお願いします」といった相手側だけに有利な条件を出された際に契約解除ができます。

このように、赤字が出続けるような状況を回避できるのがCOC条項の特徴の一つです。

敵対的買収の防衛策(抑止力)になる

敵対的買収の防衛策(抑止力)になる

COC条項があるだけで、敵対的買収の防衛策となります。

購入側の会社視点で見ると、買収した会社で事業を展開しようと考えていたのに、契約会社がCOC条項で離れてしまうことにより、想定した事業を行えない・収益が発生しないという可能性が生まれます。

以上の可能性があるだけで、敵対的買収を即決できなくなり、時間と手間をかけたくない購入側の企業は買収を諦めることも多くあります。

自社の情報や技術の流出を防ぐ

自社の情報や技術の流出を防ぐ

COC条項を記載することで、秘匿したい自社の情報や技術の流出を防ぐこともできます。逆に言うなら、COC条項が無い場合で「親会社になったので製造工程全て報告してください」と言われてしまうと秘匿するのが困難な場合が多くなります。

独自の技術を持っていたり、競合会社に閲覧されたくない情報がある場合にも、COC条項は有効です。

その他の敵対的買収の防衛策については、以下の記事で解説しているのであわせてご覧ください。

チェンジオブコントロール条項のデメリット

チェンジオブコントロール条項のデメリットは「買い手が見つかりにくくなる場合がある」ことです。

買い手が見つかりにくくなる場合がある

買い手が見つかりにくくなる場合がある

先ほど、敵対的買収の防衛策となるとお話ししましたが、裏を返すと買い手が見つかりにくくなるとも言えます。

買収で手間を少なく技術や流通を手に入れ、子会社を大きく変えずに経営していきたいという買い手であっても、「COC条項があるなら、契約解除される可能性があるからやめておこう…」となるケースもあります。

友好的買収の際、足かせになるリスクもある、ということを覚えておきましょう。

その他の敵対的買収防衛策

今回はチェンジオブコントロールを中心としたお話しでしたが、敵対的買収には以下のようなものもあります。

  • ポイズンピル:新株を発行することで買収を防ぐ防衛策
  • ゴールデンパラシュート:経営陣の退職金を高額にし買収を防ぐ防衛策
  • マネジメントバイアウト:経営陣自らが自社の株式などを買収することで外部からの買収を防ぐ防衛策
    など

詳しくは以下の記事で解説しておりますので、防衛策をお考えの方はあわせてご覧ください。

おわりに:最適なM&A防衛策を講じるには専門家サポートも検討を

M&Aに対して防衛策を整えるのは非常に労力を必要とします。「本来であれば会社の事業に割くべき時間の多くを、対策に取られてしまう…」このような状況の時は、私たち「アウル税理士法人」にサポートさせてください。

税理士というプロの視点から、あなたの会社を守るべくサポートさせていただきます。50分の無料相談も行っておりますので、まずはお気軽にご相談ください。

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