税理士は税金に関するプロであり、会計や税務を正確に行うことができます。税理士を雇うことで、会計や税務の手間と時間を削減できる以上のメリットがいくつもあります。

この記事では、税理士を雇うことで得られるメリットや、税理士を雇うべきタイミング、税理士費用の相場など、会社に税理士を付けるために押さえておきたいポイントを解説します。

税理士を雇うタイミングは？

個人事業や経営を行うとき、税理士を雇うべきタイミングはいくつか考えられます。

開業時

開業時には、会社用の印鑑の用意、定款の作成、登記申請など多くの専門的な手続きが必要になります。このタイミングで税理士を雇うことで、このような専門的な手続きのための手間と時間を省くことができます。

個人事業主から法人化するとき

個人事業主から法人化（法人成り）するときは、税理士を新しく雇うタイミングとして考えることができます。

個人事業主として事業を行っている場合、売上が順調に伸びて1年間の売り上げが1,000万円を超えるタイミングが、法人化に適した時期だと考えていいでしょう。

また、税務について学ぶ時間や会計作業の時間を削減することができるので、会社の形態を変えても滞りなく経営に集中することができます。

税理士を雇うメリット

税理士を雇うことで、経営や税務において以下のようなメリットを得ることができます。

誤りのない税務ができる

税理士は税務のプロであり、正しく誤りのない税務を行うことができるのが第一のメリットです。

仮に税務に誤りがある状態で申告をすると、修正申告や追徴課税を負うリスクが想定されます。税理士を雇うことで、会計のチェックや申告書類の作成などを安心して任せることができ、税務署に対する信頼性を高く保つことができます。

経営を効率化できる

税理を雇うことで経理や税務の時間を省くことができ、集中すべき経営に専念できる点は大きなメリットです。

売上が伸びたり事業の規模が拡大すると、比例して経理業務も複雑化していきます。会社が好調な時期に経理に多くの時間を割かなければいけない状況は、経営として望ましくありません。

税務調査にも安心して対応できる

顧問税理士をつけていれば、仮に税務署から指摘が入り税務調査が行われることになっても、安心して対応することができます。

税理士との契約内容によって異なりますが、調査が行われるまでの準備や税務署との連絡から、当時の立ち合いまでサポートしてくれることが多いです。

対外的な信用性が上がる

税理士を雇うと、決算書などの書類に税理士の記名押印が入ります。これは「税理士が作成した」という事実を示します。

この記名押印は、融資の申請をするときなどの決算書の提出が求められる場面での信用性が高くなります。

財務状況から経営状態を分析してもらえる

税理士は会社を財務の面から経営状態を分析することができます。

貸借対照表や損益計算書、キャッシュフロー計算書などの財務諸表から、会社の安定性や新規事業の採算性の評価を受けることができます。

第三者の専門的な立場からのアドバイスを受けることで、冷静で的確な経営判断ができるようになることも大きなメリットとして考えられます。

資金繰りや行政支援へのアドバイスをもらえる

税理士は税金に関してのみでなく、専門的な知見から資金調達に関するアドバイス・サポートを受けることができます。銀行からの融資や、助成金などの行政支援に関する、資金繰りにも有利になれる側面もあります。

税理士を雇うデメリット

税理士を雇うデメリットとして高い税理士費用がかかる点が考えられます。

そのため、税理士を雇うには十分な売上を得ている必要があります。

具体的な目安としては、年間の売上が1,000万円を超えるあたりを考えるといいでしょう。

税理士を雇う費用相場

税理士への契約形態は、主にスポット契約と顧問契約の2つがあります。それぞれの場合の費用相場についてご紹介します。

スポット契約

特定の業務を単発で税理士に依頼する「スポット契約」という契約方法があります。

スポット契約の費用は、依頼する内容によって異なります。あくまで目安になりますが、スポットで税理士に契約するときの費用相場は以下のとおりです。

• 確定申告書の作成：3万円～20万円
• 決算書の作成：10万円～30万円
• 記帳代行：1.5万円〜3.5万円
• 各種相談：5千円〜1万円
• 資金調達のサポート：調達金額の2〜5%
• 税務調査の立ち合い：1日当たり3～5万円
• 株式会社設立：25万円〜30万円
• 合同会社設立：10万円〜15万円

顧問契約

税理士との顧問契約とは、顧問税理士として年間を通して会社の税務をサポートする契約です。具体的には、次のような業務を行います。

• 会計指導
• 申告書類の作成・申告
• 各種税務書類の作成
• 税金や財務に関する相談（定期面談）

年商1億円未満の会社であれば、月額の費用は1.5万円〜3万円が相場になります。

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