会社の経営をしていく上で、税務調査の対象になるかどうかは常に気になるところかと思います。
税務調査の対象になり実地調査が行われると、調査官の質問や要請に対して拒否することはできません。
そのため、税務調査の事前通知がきてから、適切に資料を準備しておくことが重要です。
今回は、税務調査では、会社についての情報をどの範囲まで調べられるのか、具体的な資料や、過去何年分が調査の対象になるかについて解説します。
税務調査はどこまで調べるのか
税務調査で調べられる対象と、その範囲について見ていきましょう。
税務調査の対象
税務調査では、あらゆる資料が調査の対象になります。
具体的には、主に以下のようなものが該当します。
- 申告書
- 帳簿書類
- 領収書
- 請求書
- 契約書
- 預金通帳
- パソコン内のデータ
- 不動産登記簿謄本
各資料の調査されるポイント
税務調査において、それぞれの資料のどのポイントが調べられるのかについて見ていきましょう。
・申告書
提出した申告書が、過少申告などの誤りがなく正確に記載されているかがチェックされます。
損益計算書や貸借対照表などの必要な添付書類が揃っているか、期限内に提出されているか、減価償却や繰越処理が適切かなどの点に注意する必要があります。
申告書の間違いに気づいたときにすぐ修正申告することが大事です。
・帳簿
総勘定元帳や仕訳帳、売掛帳や買掛帳などの帳簿において、帳簿間での整合性が問題ないかどうかを調べられます。
税法で定められている通りに必要な書類を適切に保存しておくことや、電子帳簿の場合はバックアップやセキュリティ対策をすることが重要です。
・領収書
領収書は支出の根拠となる重要な書類です。
申告書と照らし合わせて、金額や日付などに矛盾が生じていないか調べられます。
経費として計上した取引の領収書がない場合、税務署は経費として認めません。
そのため領収書は、法人であれば7年という、定められた期間内に適切に保存しておくことが必要です。
・請求書
請求書は、仕入れや売上に関連する重要な書類です。
商品やサービス、単価や数量など、取引の詳細の内容について調べられます。
請求書の発行元と請求先を明記することや、支払期日と実際の入金の日付を見比べて問題ないかあらかじめ確認しておくことが大事です。
・契約書
請負契約書や業務委託契約書などの契約書は、記載されている金額と会計上の金額が一致するかについて調べられます。
他にも契約内容、日付、作成者、契約者名、契約者住所、署名捺印、契約期間などの詳細な内容について調査官から問われることもあります。
時期や種類によって、契約書を適切に分類して保存しておくことが重要です。
・預金通帳
資金の流れを確認するため、銀行口座の通帳や残高証明書も重要な調査対象のひとつ。
収入や支出が正確に申告されているか、不正な資金移動がないかを調べられます。
・パソコン内のデータ
現代において、会社の運営に関わる情報はパソコン内のデータとして管理されています。
調査官が求めたデータをすぐに見せられるように、データやフォルダの整理をしておくことが重要です。
また、破損や紛失に備えてバックアップをしたりセキュリティ対策をして、データを適切に保存しておくことも忘れないようにしましょう。
・不動産登記簿謄本
不動産登記簿謄本では、不動産に関する権利関係について問題なく申告されているかについて調べられます。
所有者や抵当権に関する情報や、相続や贈与があれば登記の変更がされているかなど、細かく見られる場合があります。
不動産では適切な登記手続きを速やかに行うことが大事であり、未登録や登記の遅延があれば税務上の問題になってしまいます。
税務調査は何年分か
一般的な税務調査においては、過去3年を遡って調査することがほとんどです。
実地調査を行い、特に問題がないか、申告漏れが見つかった場合は過去3年分の調査で終わります。
ただし、国税通則法において税務調査の時効は5年とされています。
過去3年間の調査では不正が発覚しなかった場合、5年まで遡って調査されるケースも起こり得ます。
3年分で終わるか5年分まで伸ばすかは、税務署の判断で決められます。
また例外として、大企業による悪質な申告漏れが疑われる場合などに限り、7年間遡ることもあります。
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まとめ
今回は、税務調査が行われるとどこまで調べられるのかについて解説しました。
最後にポイントを振り返りましょう。
- 申告書
- 帳簿書類
- 領収書
- 請求書
- 契約書
- 預金通帳
- パソコン内のデータ
- 不動産登記簿謄本
税務調査の対象年数は基本的に3年間だが、税務署の判断により5年間に伸ばされることもある。
アウル税理士法人
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