正しく理解していないと、免税の申請が許可されない場合や、免税店として許可を受けているのに免税販売ができないケースも生じます。
この記事では、免税店として申請するにあたって必要な条件と、注意するポイントを解説していますので、ぜひお役立てください。
免税店とは、非居住者に消費税を免除して販売できる店のこと
免税店とは、外国からの旅行者など、非居住者(日本に住んでいない人)に対して特定の物品を、一定の方法で販売する場合に消費税を免除して販売できるお店のことです。
以前の記事で、「国外への取引」は消費税の課税対象にならないというお話をしました。今回お話する免税店は、まさにこの「国外への取引」にあたる部分で、消費税法第8条、「輸出物品販売場」に該当します。
(免税店は、法律上「輸出物品販売場」と呼ばれます)
輸出物品販売場制度
輸出物品販売場制度とは、特定の条件下で免税店を経営すれば、消費税が免除される制度です。
免税店を経営するには、細かな要件を満たす必要がある
免税店を経営するには、国税庁が定めた要件を遵守する必要があります。この見出しでは、申請に必要な許可要件を解説しますので、一つひとつ見ていきましょう。
申請に必要な許可要件6つ
免税店として認められるためには、以下の要件全てを満たしている必要があります。
(一般型輸出物品販売場の場合です、委託型や自動販売機型は更に追加の条件があります)
- 消費税の課税事業者であること
- 申請時点で国税の滞納がないこと(例外あり)
- 輸出物品販売場の許可の取り消しから3年以内でないこと
- 輸出物品販売場を経営する事業者として、特に不特定と認められる事情がないこと
- 申請時点で非居住者が利用する場所又は非居住者の利用が見込まれる場所に所存する販売場であること
- 免税販売手続きの必要な人員を販売場に配置し、免税販売手続きを行うための設備を持つ販売場であること
許可申請書の添付書類4つ
免税店の許可を申請するには、申請書の他にも必要な資料がいくつかあります。
(一般型輸出物品販売場の場合です、委託型や自動販売機型は更に追加の条件があります)
- 許可を受けようとする販売場の見取り図
- 申請者の事業内容が確認できる資料(ホームページなど)
- 許可を受けようとする販売場の取扱商品が確認できる資料(カタログなど)
- その他参考となる書類
免税の対象となるのは日用品だけ
免税の対象となるものは、日常生活に使用するものと限定されています。
免税の対象となるもの | 同じ売り場での一日の合計額 |
一般物品(家電、鞄、服など) | 5千円以上 |
消耗品(食べ物、医薬品、化粧品など) | 5千円〜50万円 |
消耗品の包装については、細かい規定があります。詳しくは以下のサイトで解説されておりますので、そちらをご覧ください。
実際に販売する時の流れ
免税店として認められていたとしても、販売時の手続きを理解していないと免税が適用されません。こちらの見出しでは、実際に販売する時の流れと注意点を解説していきます。
1.パスポートや旅券の提示を求める
非居住者の方であっても、旅券等を所持していない場合は免税販売ができません。
2.非居住者であることを確認
パスポートや旅券から、購入者が非居住者であることを確認します。
3.必要事項の説明を行う
輸出のために購入されるものであることを説明します。説明方法は口頭説明のみでも構いませんが、説明事項を日本語、外国語で記載した書類を添付するとより理解が得られます。
4.物品を引き渡す
購入者の理解が得られたなら、物品を引き渡します。この際、先ほどお話した梱包が必要になる場合がありますので、事前に商品をよく確認してください。
5.購入者記録情報を国税庁に送信する
手順1〜2で控えた情報及び、購入の事実を記録したデータを、国税庁の「免税販売管理システム」に送信する必要があります。
6.購入記録情報の保存
送信したデータは、一定期間(約7年)保存する必要があります。
利用できない方
外国籍を持つ方でも、以下の方は利用できない点に注意が必要です。
- 日本国内の事務所に勤務している方
- 日本に入国後、6ヶ月以上経過した方
まとめ
免税店を行う上での要件や細かいルールを覚えていくことは、実際に販売を行う上で重要です。
今回の記事のポイントは以下の通り。
- 免税店とは、非居住者に向け消費税無しで販売できる店のこと
- 要件を満たした上で申請、許可が降りないと免税店として営業できない
- 販売する時の流れを理解していないと、免税販売できないことがある
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