中小企業を営む経営者の方のなかには、家族に仕事を手伝ってもらっているという方も多いと思います。
そこでポイントになるのが、家族を従業員とするときのお給料。
「従業員でもある家族にボーナスは支払えるのか?」という質問が多く寄せられているので、それにお答えし、ポイントを解説していきます。
- 妻が雑用や普通の業務しかしていない・・・ボーナスは払える(高額な給料は支払えない)
- 妻が経理をしている・・・ボーナスは払えない
結論
人件費を適切にコントロールすることで節税対策が進みます。しっかりと確認しておきましょう。
家族を従業員にした場合、普通に給料を払っても大丈夫?
私は、小さな会社を営んでいます。妻に仕事を手伝ってもらいたいと考えているのですが、家族の場合も普通に給料を払うことはできますか?
家族であっても、実際に仕事をしているのであれば、給料を払うことは可能です。
むしろ、中小企業にとってもっとも手堅い節税対策は、家族や親族を会社の中に入れてしまうこと。家族や親族に給料を払うことで、経営者の収入を分散すれば、会社の利益を圧縮してその分の税金(法人税・法人住民税)を安く抑えることができます。
もちろん、家族や親族を従業員にする場合、ちゃんと仕事をしていなければなりません。何も仕事をしていないのに、形式的に従業員ということにして給料を払っていれば、架空経費ということになり、税務署から厳しいおとがめを受けてしまいます。
家族を従業員にするときに、気をつけるべきポイントは?
家族に払う給料に関しては、その”妥当性”に気をつけましょう。
家族に払う給料に関しては、税務署もそれなりに厳しい目を向けています。会社としても相応の注意を心がけてください。
- ちゃんと仕事しているか
- 給料の額が世間の相場と著しくかけ離れていないか
税務署がみているポイント
経営者の配偶者はボーナスがもらえないの?
私は小さな会社を経営しています。従業員は妻だけです。自分にはボーナスが出せないので、妻にボーナスを出そうと思っています。
しかし経営者だけじゃなく、配偶者もボーナスをもらえないと聞きました。これは本当ですか?
半分、本当です。経営者の配偶者の場合、普通の社員であっても役員と同等とみなされることがあり、これを「みなし役員」といいます。
みなし役員となった場合、役員と同様で、期中で給料をあげたり、ボーナスを払ったりすると、経費に計上できなくなってしまいます。
みなし役員となる場合
- 会社使用人以外で、会社の経営に従事している(相談役、顧問など)
- 会社の使用人(従業員)で、一定の割合で株を所有し、会社の経営に携わっている
みなし役員とされる持ち株の条件
- その人の持ち株割合(配偶者分含む)が5%を超えている
- その人の同族グループ(血族6親等、姻族3親等以内)で持ち株割合が10%を超えている
- 同族グループ3位までの持ち株割合が50%を超えている
この条件を見ると、中小企業のオーナー社長の場合、株の100%を持っていることがほとんどなので、社長の奥さんのほとんどは、株の保有条件では「みなし役員」ということになります。
オーナー経営者の妻が経営にタッチしていれば、その妻が役員ではなくても、ボーナスは払えません。
実はこの経営へのタッチ、国税では「経理をしていればアウト」という共通認識があるようです。奥さんが経理をしているのなら、会社の経営に携わっている「みなし役員」とみなされます。
もし経理に携わることなく、単なる雑用や、普通の会社の業務しかしていないのであれば、「みなし役員」とはされず、普通の従業員として扱われ、ボーナスも払うことができ、期中で給料の増額もできるようになります。
ただしその場合は「単なる従業員」という扱いになりますから、それほど高額な給料は支払えないというジレンマが発生してしまいます。
税理士は個人事業主の頼れる味方!経費のお悩み・ご相談は札幌アウル税理士法人まで
この記事では、経営者の家族を従業員とするときの給料やボーナスについて解説しました。
- 経営者の家族を従業員にして給料を払うことはできる
- 給料を支払う場合は、ちゃんと仕事をしてもらう必要がある
- 配偶者が経理をしている場合は「みなし役員」となり、ボーナスは払えない
「この場合は経費で落とせるの?」
「来年の納税資金を確保できるか心配……」
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