先の見えないコロナ禍は、相続税の申告・納付にも影響を及ぼしています。
本来であれば、問題なく話し合いをして手続きを行えるケースであっても、様々な事情でイレギュラーが発生しているのです。
相続税の申告・納付には期限があるため、手続きがスムーズに進められないと期限を過ぎてしまうことに不安を覚えてしまいます。
国税庁は時勢を鑑みて、新型コロナウイルス感染症の影響による相続税の期限延長を認める旨を公表しました。
そこで、気になる相続税申告期限延長の適用要件や、適用後の申告期限について詳しく解説します。
本来の相続税申告期限、納付期限とは?
まずは、本来の相続税申告期限と納付期限を押さえておきましょう。
相続税の申告・納税は、「亡くなったことを知った日から10ヶ月以内」に行わなければなりません。
例えば、2021年1月1日に亡くなった場合、基本的には2021年10月1日が申告・納付期限となります。
期限内に申告できなかった場合は「無申告」、納税できなかった場合は「滞納」という扱いになり、延滞税や無申告加算税(あるいは重加算税)といったペナルティが課されます。
10ヶ月以内に、遺産分割協議や申告を行うことになりますが、コロナウイルスの影響によって親族が集まって話し合うことや書類集めが難しい場合、延長せざるをえないと言えるでしょう。
要チェック!適用要件と適用後の申告期限は?
それでは、相続税申告期限延長の適用要件と、適用後の申告期限を見ていきましょう。
申告期限延長については、「新型コロナウイルスに感染した」といった明確な理由以外でも、「感染拡大地域に住んでいるため、外出を自粛している」「体調不良のため、外出を自粛している」といった理由でも認められます。
また、新型コロナウイルスの影響により相続税の申告・納付を延長したい場合、「災害による申告、納付等の期限延長申請書」を提出する必要があります。
相続税の申告書の右上に「新型コロナウイルスによる申告・納付期限延長申請」と記載、あるいはe-Taxの場合は特記事項欄に同様に入力することで、申請書の提出に代えることも可能です。
延長を行った場合の申告・納付期限は、「延長した理由のやんだ日から2ヶ月以内」となっていますが、具体的な日付を確定させるのは現状から言って現実的ではありません。
申告書の作成・提出ができる状況になった時点で、速やかに申告を行うようにしてください。
その場合、申告書の提出日が納付日となります。納付が遅れると延滞税が課せられる可能性があるため、注意が必要です。
また、郵送で提出をした場合は、通信日付印が提出日となります。
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