個人事業主の基礎知識|税金が払えない場合の対策と滞納のリスク

 

個人事業主は、日々のお金のやりくりや書類作成はもちろん、節目での納税も自分で行わなければなりません。

特に事業を始めたばかりの頃は、「思った以上に税金が高額」、あるいは「やりくりが上手くいかず、すぐに税金が払えない」といった事態に陥りがちです。

税金が払えない場合どうしたらいいのか、滞納してしまったらどうなるのか、万が一のために知っておきましょう。

 

最初にやるべき「税務署への相談」

 

税金が払えそうもないことが分かったら、まずは税務署へ相談してください

「払えない」ことを自ら告げに行くのは心理的なハードルが高いように感じますが、実はもっとも大切なことです。

悪意があって税金を払っていないのではなく、払う意思はあるが様々な事情で払えないのだという意思を示しましょう。

相談に行く際は、すぐに払えない理由やいつ頃なら払えるかといった計画をまとめてから向かうとスムーズです。

「納税すること」に対する誠実な態度を示せば、どうすればいいのか必ず相談に乗ってくれます

 

個人事業主がとれる具体的な3つの対策

 

続いて、個人事業主側で取ることができる対策を紹介します。

 

対策1:振替納税制度を使う

 

確定申告の申告期限及び納税期限は例年3月15日です。

しかし、振替納税であれば、口座から税金が引き落とされるまで、1ヶ月ほどの猶予があります。「預貯金口座振替依頼書兼納付書送付依頼書」を提出すれば、延滞金や利息もつきません。あと1ヶ月あればお金を用意できるというシチュエーションであれば、非常に有効な対策です。

 

対策2:延納制度を使う

 

延納制度は、2回に分けて税金を納める制度で、所得税にのみ適用できます。

延納制度を使うための条件は、以下の2つです。

・申告期限までに「延納の届出」を行うこと

・所得税の半分以上は、期限までに払うこと

延納制度においては、残りの所得税は5月末までに払わなければならない点と、利子税が課せられる点に注意しましょう。

 

対策3:換価の猶予を申請する

 

3つめは、財産の差し押さえまで至ってしまった場合にとれる対策です。

既に差し押さえられている財産の公売の延期や、生活に支障をきたす場合の財産差し押さえの延期が可能になります。「納税の意思」や「他に滞納している税金がないこと」、「担保の提供」といった様々な条件があり、誰にでも適用されるわけではありません。

 

知らんぷりが一番怖い!滞納のリスク

 

最後に、税金を滞納した場合のリスクについてお伝えします。

税金が払えずそのまま放置していれば、いずれ督促状が発行され、最後には財産を差し押さえられてしまいます。

延滞税のほか、申告をしていない場合や悪質だとみなされた場合は無申告加算税や重加算税が課せられます。

納付が遅れるほど、こういったペナルティが課せられていくため、税金が払えない場合は一刻も早く相談し、対策を取りましょう。

 

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