2020年は新型コロナウイルスの影響で収入が減って副業を始めた人も多いことでしょう。副業である程度の金額を稼ぐと、気になるのが確定申告です。確定申告で計算する所得税は10種類あり、普段確定申告は会社がやってくれているため、会社員の方はわからないことが多いはず。
「事業所得」と「雑所得」の違いは?
「事業所得」と認められずに「雑所得」にされちゃった!?
など、ギモンが多く出てくるので、解説していきます。
事業所得と雑所得の違いとは?
副業による所得はどの区分にすれば良いのか。事業所得もしくは雑所得として計上すべきか判断に迷うときがあると思います。事業所得として計上すれば、損益通算や青色申告特別控除が出来たりとメリットが大きいのです。それぞれ税法上どのように規定されているかを確認していきます。
〇事業所得とは
第二十七条 事業所得とは、農業、漁業、製造業、卸売業、小売業、サービス業その他の事業で政令で定めるものから生ずる所得(山林所得又は譲渡所得に該当するものを除く。)をいう。
簡単に言えば、事業として営んだ結果、得られた所得です。「継続した期間で安定した収入が得られる」、「儲かる可能性がある」、「相当な時間を費やしている」、「職業として認知されている」といったことが判断材料となります。
〇雑所得とは
第三十五条 雑所得とは、利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、退職所得、山林所得、譲渡所得及び一時所得のいずれにも該当しない所得をいう。
雑所得とは、給与所得や事業所得、不動産所得など9種類の所得に、当てはまらないものを言います。たとえば、文筆業を営む人以外が、原稿料を受け取った場合には雑所得です。
〇一時所得とは
第三十四条 一時所得とは、利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、退職所得、山林所得及び譲渡所得以外の所得のうち、営利を目的とする継続的行為から生じた所得以外の一時の所得で労務その他の役務又は資産の譲渡の対価としての性質を有しないものをいう。
一時所得は、営利を目的とする継続的行為から生じた所得以外となっていることから、一般的に事業を行っているような場合は該当しません。
と、上記となっていますが明確な基準はありません。もう少し深く見てみましょう。
事業所得にするメリット
副業のうち、アルバイトの場合は「給与所得」になります。アルバイト先で確定申告は行わないので、年末調整済の本業と、アルバイトを合わせてあらためて確定申告をする必要があります。誰かに雇われずに自分で仕事をしている副業で利益を出した場合には「雑所得」として確定申告をします。
しかし、事業所得に出来ると以下のメリットがあるため、副業の規模が大きくなってくると事業所得に区分したいと考えるはずです。
- 青色申告特別控除を利用したい
- 赤字の際に「給与所得」と損益通算したい
開業届があっても「事業所得」と認められない!?
会社員の副業は、税務署に開業届を出しただけでは「事業所得」として認められず、「雑所得」とされる場合がほとんどです。
たとえば、デザイナーを本業とする個人事業主が100万円を稼いだら当然「事業所得」として申告できますが、会社員が副業として100万円稼いだ分は「事業所得」と認められない場合があります。
会社員という本業があり、副業の時間が本業に比べて少ないという状況であれば「雑所得」と判断される可能性が高いのです。
副業でも「事業所得」と認められる場合は?
その仕事が「事業所得」にあたるかどうかは、次のようなポイントで判断されていると考えられます。
- 自己の計算とリスクにおいて、独立して営まれていること
- 営利性・有償性があること
- 反復・継続して業務があること
- 取引に費やした精神的・肉体的労力の程度
- 人的・物的設備の有無
- 事業として客観的に成立しているか
副業の「事業所得」「雑所得」の区分は具体的な金額で区切っているわけではなく、個別の事例ごとに税務署が判断しているそうです。
税理士に相談してみたり、管轄の税務署に直接問い合わせて確認することをおすすめします。
最近では、ネットオークションやフリマで収入を得ているサラリーマンや主婦、学生なども増えてきています。基本的には雑所得です。しかし、洋服や食器、家具といった自宅にあった不用品の場合には、「生活用動産」として、所得が20万円を超えても確定申告は不要です。ただし、宝石や貴金属、美術工芸品などの場合は、1点が30万円を超えると課税対象となります。
ハンドメイド作品や転売目的で購入した商品を販売した場合では、事業の規模などによっては、事業所得になる可能性も出てきます。
【まとめ】
副業時代とも言われる現代において、確定申告の知識は必須になってくるのかもしれません。知っていることでオトクになる場合もあり、知らないだけで損することも増えるでしょう。しっかり準備してこれからの時代を生きていきましょう。
事業所得・雑所得以外にもたくさんの区分があるので、他で収入を得ている人は下記で区分をどれにするか参考にすると良いでしょう。
副業で得たこの収入はどの所得区分!?確定申告で困ったときは専門家に相談しよう!具体例を紹介します!
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