退職金は年収に入るのか? 退職金の疑問を専門家が詳しく解説します!

退職金は年収に入るのか? 退職金の疑問を専門家が詳しく解説します!

会社を退職する際に、雇用主から退職者へと支払われるのが退職金です。ところで、この退職金は年収に入るのでしょうか。

今回は、退職金が年収に入るのかという疑問を解決するとともに、退職金の受け取り方法、退職金にかかる税金にはどんな種類があるのかなどを詳しく解説します。

退職金は一時的なものなので年収には含まれない!

そもそも年収とは、簡単に言うと1年間の収入のことです。つまり、会社から支払われる毎月のお給料やボーナスが年収に該当します。一方、退職金は収入ではあるものの、あくまで一時的に支給されるものです。そのため、年収には含まれないことになっています。

基本的に退職金は、退職者の退職後の生活を支えるための大切な資金です。その退職金を通常の所得にしてしまうと、多額の税金を納めることになってしまいます。その結果、退職後の生活に支障をきたす可能性があることから、軽い税金となるように配慮されているのです。

一時的な退職金はどのように受け取るべき? 受け取り方で税金が変わる?

一時的な退職金はどのように受け取るべき? 受け取り方で税金が変わる?

一度にまとまった金額が手に入る退職金は、一体どのように受け取るべきなのでしょうか。実は退職金には、一時金として一括でまとめて受け取る、年金として分割して毎月一定額を受け取るという2つの方法があります。

この受け取り方によって、退職金にかかる税金が変わるのが特徴です。ここでは、2つある受け取り方のメリット・デメリットをそれぞれ解説します。

一時金受け取りのメリット・デメリット

退職金を一時金で受け取るメリットは、税金の負担が少ないことです。日本の所得税は、所得税が多くなればなるほど高い税率が適用されます。しかし、退職金に関しては長年勤務してきた報酬となるため、金額が大きくなっても負担が少ないような仕組みとなっているのです。

一方、デメリットは年金受け取りよりも退職金の総額が少なくなることがあります。また、一度にまとまった金額を手にすることによる使いすぎのリスクも挙げられるでしょう。

年金受け取りのメリット・デメリット

退職金を年金で受け取るメリットは、一時金受け取りよりも退職金の総額が多くなることにあります。その理由は、退職者が退職金を全額受け取るまでは、会社側が一定の利率で運用してくれるからです。

一方、デメリットは税金の負担が高くなることにあります。一時金受取の場合は、税制優遇措置を受けられますが、年金受け取りには優遇措置が設けられていません。さらに毎年受け取る退職金は雑収入として計上されるため、他の収入との合計所得が増えることにより、税金や社会保険料が高くなってしまいます。

退職金にかかる税金の種類は?

退職金にかかる税金の種類は?

退職金にかかる税金には、どんなものがあるか知らない人も多いのではないでしょうか。ここでは、退職金にかかる税金の種類をご紹介します。

所得税

個人の所得に対して発生する税金のことを所得税と言います。収入すべてに課税されるものではなく、所得控除額を差し引いた金額に一定の税率を適用し、算出される仕組みです。

退職金にかかる所得税を計算するには、退職所得控除を把握する必要がありますが、この退職所得控除は勤続年数によって変動します。そのため、勤続年数が長ければ控除額が大きくなるということです。

住民税

地方税の一種で、住んでいる都道府県や市区町村に納める税金のことを住民税と言います。この住民税は収入や住んでいる地域によって、納税する金額が異なるのが特徴です。この住民税を納めることによって、その地域の福祉や地域などの行政サービスに還元されます。

住民税には、均等割と所得割がありますが、退職にかかる住民税は分離課税となるため、所得が生じた年に他の所得と区別されて、課されるのが特徴です。

復興特別所得税

東日本大震災の復興ために必要な財源を確保するために始まった税金が、復興特別所得税です。この金額は、源泉徴収される所得税の2.1%相当と決められています。

なお、復興特別所得税の納税は2013年(平成25年)から始まっており、2037年(令和19年)まで納税しなければなりません。

退職金をもらった翌年の税金について、詳しく知っておきたい方はこちらをご覧ください。

退職前に申告書を提出すれば税制優遇措置を受けられる

退職する前に「退職所得の受給に関する申告書」という書類を、事前に会社に提出しておけば税制優遇措置を受けることが可能です。申告をすることで、退職所得控除が適用され、所得税にかかる負担が軽減されます。

この申告書は国税庁のホームページからダウンロードできますが、会社によっては配布してくれるところもあるようなので、退職前に会社に確認してみるとよいでしょう。

未提出の場合はどうするべき?

「退職所得の受給に関する申告書」は必ずしも提出しなければならない書類ではないため、申告しなくても問題ありません。しかし、退職所得控除が適用されるので、提出しておいて損はないでしょう。

万が一、退職した会社で未提出の場合でも、退職金を受け取った翌年に確定申告をすれば還付金としてお金が戻ってきます。ただし、確定申告には期限があるので、期限内に申告することを忘れないようにしましょう。

終わりに:退職金にかかる税金については専門家への相談も検討を!

今回は、退職金が年収に入るかどうかを解説しました。前述した通り、退職金はあくまで一時的に支給されるものなので、年収に含まれることはありません。

一時金としてもらえる退職金まで通常の取得とみなしてしまうと、多額の税金を納めることになりかねないからです。そうなると、退職後の生活に支障をきたす可能性があります。

また、退職金には一時金受け取りと年金受け取りという2つの受け取り方があることを覚えておくことが大切です。どちらの方法で受け取るべきなのかは、それぞれのメリット・デメリットを理解した上で判断するようにしましょう。

退職金にかかる税金の負担を少しでも和らげたいのであれば、「退職所得の受給に関する申告書」の提出を検討してみましょう。それでも退職金のことで不安がある場合は、専門家に相談をしてみるのがおすすめです。

札幌大通りにあるアウル税理士法人は、退職金にまつわる税金などの税務をサポートします。退職者の皆様の退職金に関する不安や疑問をしっかり受け止めて、退職金受け取りをサポートしますので、まずはお気軽にご相談ください。

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終わりに:退職金にかかる税金については専門家への相談も検討を!

また、退職金にまつわる税金のことを知っておきたい会社の経営者 ・次期経営者・経営幹部の方には、アウル税理士法人が運営する経営塾もおすすめです。同じ境遇、悩み、志を持つ者同士が出会い、皆様の経営の不安を少しでも取り除くお手伝いができればと考えております。

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