個人事業主必見!生計を一にしない家族の場合の給与は「経費計上」が可能。ただし、条件があります

個人事業主必見!生計を一にしない家族の場合の給与は「経費計上」が可能。ただし、条件があります

「個人事業主で、生計を一にしない家族に給与を払った場合どうなるんだろう?税の面で負担が減ったりしないかな?」

この記事は、そのような疑問をお持ちの方に向けた記事です。

結論からお伝えすると、生計を一にしない家族に支払った給与は「経費」として計上可能なため、税の負担が減る場合があります。

ただし、生計を一にするためには一定の条件もあるため、実際に私たち「アウル税理士法人」にご依頼いただいた具体例を元に解説させていただきます。

個人事業主が生計を一にしない家族へ給与を払うとどうなる?

個人事業主が生計を一にしない家族へ給与を払うとどうなる?

生計を一にしない家族へ支払った給与は「経費」として計上できます。つまり、所得金額を下げ、課税される金額が減るというわけです。生計を一にした場合は原則経費計上が不可能なため、大きな差と言えるでしょう。

ただし、以下の条件を満たす必要があります。
  • 明らかに独立した別生計の家族を従業員として雇っている場合
  • 他の従業員と同じ業務内容をこなし、同じ基準で給与を支払っている

その他にも、生計を一にしない場合、もう一つのメリットがあります。

生計を一にしないメリット:国民健康保険料が低くなる場合がある

先ほど紹介した経費計上以外にも、生計を一にしない場合国民健康保険料が低くなる可能性があります。ただし、自治体によって金額が異なるためかえって高くなる場合もあるのでご注意ください。

札幌市であれば以下のページにある表を元に計算できます。

64歳以下の公的年金収入以外の場合

また、「生計を一にしない」ことのメリットが無くなった場合には、「世帯合併」として再び一つの世帯に戻すこともできます。

では、「生計を一にしない家族」とするにはどのような条件が必要か、具体例を元に見ていきましょう。

生計を一にしない家族の4つの具体例

生計を一にしない家族の4つの具体例
生計を一にしない家族の具体例
  1. 同じ建物で暮らしているが、家計は別々
  2. 正式な婚姻届を出していない状態(同棲や事実婚)
  3. 自立した子供が別の家で暮らしている
  4. 両親が年金生活をしている

それぞれ詳しく見ていきましょう。

1.同じ建物で暮らしているが、家計は別々

同じ建物内で暮らしていたとしても、食費や水道光熱費を別々に管理している場合は「家計が別」と判断され、生計を一にしない家族となります。

イメージしやすい例だと、二世帯住宅がこのケースにあたります。

2.正式な婚姻届を出していない状態(同棲や事実婚)

民法第725条で、(税金関係では)カップルの同棲や事実婚の状態は親族の範囲に含まないとされています。

つまり、婚姻届を出していない場合は生計を一にしないとみなされるのです。

3.自立した子供が別の家で暮らしている

仕送りなし、完全に別居している、住民票上も別世帯になっている場合は、生計を一にしない家族と言えます。

反対に、完全に別居していても毎月仕送りをもらっている場合は生計を一にする家族となりますのでご注意ください。

4.両親が年金生活をしている

両親が年金生活をしており、こちらから仕送りしていない場合は生計を一にしない家族と言えます。

ただし、両親に限らず祖父母などの親族であっても、「何かの足しに」と仕送りしていると「生計を一とする家族」と見なされることもありますのでご注意ください。

個人事業主として生計を一にするメリット:「扶養控除」を受けられる

個人事業主として生計を一にするメリット:「扶養控除」を受けられる

個人事業主でも、生計を一にすれば扶養控除を受けられることがメリットです。扶養控除は38万円受けられるため、税負担が減ります。

ただし、扶養控除を受けるには「扶養親族」の条件を満たす必要があります。

扶養親族の条件
  • 16歳以上であること
  • あなたの親族の場合は6親等内、配偶者の親族の場合は3親冬以内であること
  • 生計を一にすること
  • 扶養を受ける人の合計所得金額が48万円以下(年収103万円以下)であること

これらの状況を見て、総合的に判断されます。

まとめ

今回は、個人事業主が家族と生計を一にしない場合について解説させていただきました。最後にポイントを振り返りましょう。

この記事のポイント
  • 生計を一にしない家族への給与は、「経費」として計上できる
  • その他の生計を一にしないメリットは「国民健康保険が安くなる可能性がある」点
  • 反対に、生計を一にするメリットは「扶養控除を受けられる」点
生計を一にしない家族の具体例4つ
  1. 同じ建物で暮らしているが、家計は別々
  2. 正式な婚姻届を出していない状態(同棲や事実婚)
  3. 自立した子供が別の家で暮らしている
  4. 両親が年金生活をしている

個人事業主は特に税金の面だけでなく、事業の方向性で悩むことが多いと思います。そんな時、頼れる味方が周りにいるかどうかでその後が大きく変わります。

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