開業したばかりの人や副収入のあるサラリーマンなど、青色申告と白色申告の違いを知っておかなければならない人はたくさんいます。
しかし、経理や税務に関して知識を持っていなければ、青色と白色の違いやペナルティについて、なかなか知る機会を得られないかもしれません。
そこで、ここでは申告の種類やメリットデメリットについてわかりやすく説明していきます。
【こんな人は必読!】
- 開業したばかりで確定申告をしたことがない
- サラリーマンが長くて税金のことがさっぱりわからない
- 身近に相談できる人がいない
- 自分一人で確定申告できる自信がない
ザックリ解説!青色・白色申告の違いとは
確定申告を行う必要が出てきたとき、青色申告と白色申告のどちらで申告すればいいか迷いますよね。「青色申告」という呼び名は、もともと青い用紙を使っていたことに由来するとされています。
青色申告以外は自動的に白色申告となるので、まずは「事前申告した場合のみ青色申告するもの」と覚えておくといいでしょう。
青色申告は事前に申請が必要ですが、利用することで比較的大きな控除を受けることができるのです。
予め決められた条件に基づいて帳簿を付けた人にメリットがあるもので、青色申告の対象は事業所得だけではなく不動産所得や山林所得も含まれます。
個人事業主は青色申告でメリットがある?その理由とは
では、青色申告を行うことによってどのようなメリットを得られるのでしょうか。具体的には以下の4つが大きな特典となります。
1.控除額が大きくなる
複式簿記という正式な帳簿付けを行った場合、最大で65万円の控除を受けることができます。65万円の特典を受けるときに必要な書類は以下の通りです。
- 貸借対照表
- 損益計算書
これに対して、家計簿のようにシンプルに収支記録したものを単式簿記と呼びます。単式簿記だとしても青色申告深刻ですから控除を受けることができ、その金額は10万円です。
なお、控除額とは税額が安くなるということではなく、課税対象額から決められた金額を差し引くことができるというものです。
例えば、もともと100万円の課税所得があった人は複式簿記をつけることによって65万円差し引くことができるので、残る35万円に税率をかけた金額が納税額となります。単式簿記を付けていた人の場合、課税所得が同じく100万円であれば控除額は10万円となり、課税対象額である90万円に税率をかけて納税額を算出します。
2.家族に給料を払うことができる
家族が事業の手伝いをしている場合、家族に対して給料を支払うことができます。支払った給料も経費として計上できるので大きなメリットになるといえるでしょう。
3.貸倒引当金の制度を利用できる
取引先の倒産などによって売掛金を回収できない事態を想定して、万が一に備えた資金を経費として計上することができます。これを貸倒引当金といい、年末の賃金残高に対し
5.5%を上限として活用することが可能です(金融業は上限3.3%)。
仮に売掛金が100万円あった場合、上限の5.5%にあたる5万5千円を貸倒引当金として経費に組み込むことができるのです。
4.赤字を繰り越せる
事業を行うなかで赤字が出た場合、翌年以後3年にわたり赤字分を繰り越すことができます。
例えば、1年目に100万円の赤字が出た場合これを翌年の赤字として繰り越します。2年目に200万円の黒字が出た場合、前年分の赤字と相殺した残りの100万円が収益となるのです。
【初めて青色申告する場合のやり方とは】
個人事業主でも法人でも青色申告を利用しようとする人は、その年の3月15日を期限として所轄の税務署に申告する必要があります。
新しく事業の開業届を出す人の場合は、業務開始日から2か月以内に青色申告承認申請書を税務署に提出すれば大丈夫です。
ただし、損益計算書や貸借対照表といった帳簿の作成と提出が必須ですから、経理や税務関係に疎いと若干難しく感じるかもしれません。
そういった場合は、特典の規模は小さくなりますが、単式簿記を提出して10万円の控除を適用させるといいでしょう。
確定申告が失敗したらどうなる?ペナルティの内容とは
確定申告のやり方や内容を失敗してしまった場合、気付いた時期や失敗の程度によってペナルティを受けることがあります。特に注意したいのが、本来支払うべき税額よりも過少申告してしまった場合です。
そのようなときは3種類のペナルティのうちいずれかを課される可能性が出てきますので、十分に注意しましょう。
ペナルティ1.延滞税がかかる場合
間違えて申告したことに気付き、後で自ら修正を申し出た場合は、所得税の14.6%にあたる延滞税を納める必要があります。
しかし、3月15日から2カ月以内に修正を申し出た場合は税率が7.3%になるため、間違いに気付いたら早めに申告した方が損を少なくできます。
ペナルティ2.過少申告加算税がかかる場合
申告に間違いがあっただけではなく税務署から指摘を受けるまで気付かなかった場合、過少申告加算税がかかることがあります。
本来支払うべきだった所得税あるいは50万円に対し10%から15%が加算されるので、負担は非常に重たくなります。
ペナルティ3.重加算税
税務署から指摘を受けるまで申告の間違いに気づかないばかりか、それが故意または悪質であると判断されてしまうと、重加算税の対象とされてしまいます。
この場合、本来払うべきだった所得税に対し35%から40%もの加算分が追加されますので、大きなダメージとなるでしょう。
こういったリスクを理解したうえで事業に取り組む必要がありますが、事業者が、本業に加えて簿記にも通じている人ばかりとは限りません。
特に本業が忙しい場合は経理面まで手が回らないことも十分あり得るのです。
しかし、正確かつスピーディーに対応していかなければ、最悪の場合ペナルティを課される可能性も出てきます。
正しく不安なく経理や確定申告を行うためには、税理士に相談して対策のヒントをもらうことをおすすめします。
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まとめ
今回は青色申告と白色申告の違いやメリットデメリットについて解説しました。
事業者にとって一番重要なのは事業で利益を出していくことだといえますが、必ずしも経理や税務にも通じているとは限りません。しかし、正しく経理を実行し間違いのない申告をしなければ、いつ自分がペナルティの対象となるかもわからない点は非常に不安です。
青色申告と白色申告の違いをわからないままにしている人が多いからこそ、税理士に相談して違いを明確にし、どうすれば健全な経営が可能になるかアドバイスをもらうことも大切になってくると考えられます。
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