請求書が変わる?フリーランスから法人まで幅広く関係するインボイス制度とは?

インボイスを理解するための5つのポイント

  1. 消費税の計算にかかわる
  2. インボイス=明細書・請求書・納品書
  3. 保存しておくものは、インボイス帳簿の2つ
  4. インボイスの発行には登録が必要
  5. 開始時期

さてインボイスを理解するためには、まず

  1. 商品やサービスを売るときにインボイスを発行
  2. 「売るときに発行したインボイス」、「買うときに受け取ったインボイス」、「帳簿」をもとに消費税を計算し、納税

という大まかな流れを掴んでおくとよいでしょう。

「消費税を納税していない免税事業者は関係ないのか?」

という疑問に思っている方も要注意!残念ながら関係があるのです。

詳しくはページ下部の「4. インボイスの発行には登録が必要」の部分で掘り下げます。

それでは、ひとつひとつ説明していきましょう。

1.(重要)消費税の計算にかかわる

消費税は、原則として「受け取った消費税から支払った消費税を引いた差額」を納めます。

このとき、受け取った消費税の金額を証明するために、これまでは請求書を使っていました。

しかしインボイス制度がはじまると、請求書ではなく「インボイス(適格請求書)」を使います

そしてこの制度の大きな注意点がここです。

「インボイスを使っていない取引は、消費税の計算で支払った消費税を引くことができない

たとえば、売上額が税込11,000円、仕入額が税込5,500円とすると、

税率がすべて10%のとき消費税はそれぞれ、

売上(受取り)→1,000円

仕入(支払い)→500円 となります。

この差額は1,000-500=500(円)となり、納付額は500円と求めることができます。

しかしインボイスを使わなければ、支払った消費税を引くことができないため、

売上(受取り)→1,000円

仕入(支払い)→0円

とみなされ、受け取った消費税まるごと1,000円を納付することとなるのです。

2.インボイス=明細書・請求書・納品書

インボイスとは、「適用した税率やインボイスの登録番号税額などの記載を義務付けた請求書」です。

つまりインボイス制度とは、「記載の義務をすべて満たした請求書(インボイス)で消費税を計算しようという制度」なのです。

記載義務がある項目9つ

現在記載している項目

  1. 発行した方の氏名または名称
  2. 取引をした年月日
  3. 取引の内容
  4. 受け取った方の氏名または名称
  5. 軽減税率の対象である表記
  6. 適用した税率ごとに区分した合計額

インボイス制度によって追加される項目

  1. インボイス制度の登録番号
  2. 適用した税率
  3. 適用した税率ごとの消費税額の合計

これら9つをすべて記載した請求書が、「インボイス(適格請求書)」となります。

3.保存しておくものは、インボイスと帳簿の2つ

売ったとき

交付したインボイスの写しを保存します。

買ったとき

交付を受けたインボイスを保存します。

インボイスは、売りと買いのどちらの場合でも7年間保存しておかなければなりません。

4.インボイスの発行には登録が必要

インボイスを発行するためには、

まず税務署に「適格請求書発行事業者の登録申請書」を提出します。

また、e-Taxを使って、インターネットから申請することもできます。

そこから審査を経て、登録番号が通知されると「適格請求書発行事業者」となり、インボイスを発行できるようになります。

しかし、登録には条件があり、消費税の課税事業者しか登録することはできません。

そのため、免税事業者はインボイスを発行することができないことになります。

「1. 消費税の計算にかかわる」にて説明したように、インボイス制度がはじまると、インボイスでない請求書の額は「支払った消費税の額」に含むことができません。

取引先が課税事業者の場合は、今まで受け取った消費税から差引できていた金額ができなくなってしまいます。

相手がインボイス制度に対してどのような意向なのか、早めに確認をしておくといいかもしれません。

5.開始時期

「適格請求書発行事業者の登録申請書」の受付開始日 → 2021年10月1日

インボイス制度の開始日 → 2023年10月1日

※審査の期間を確保するため、制度開始日の2年前から受付を始めているようです。

開始に間に合うよう、お早めに申請することをおすすめします。

さいごに:アウル税理士法人でお役に立てること

今回は「インボイスとは何か」についてまとめました。

聞きなれない言葉ではありますが、事業者に直接関わってくる部分なので、自分たちに関わってくることと認識して頂ければ幸いです。

インボイス制度は、消費税の納税額について、フリーランスから法人まで幅広く影響するので、納税シミュレーションなど事前対策が必要となります。

そのため、アウル税理士法人では、検討が必要であろう顧問先様と事前に対策をすすめております

インボイス登録を迷っているフリーランスの方や、インボイス制度の自社への影響など、お悩みの方は、無料相談フォームからお申込みください。

初回面談は無料です。

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